QMS、GVPの構築と運用

1章 QMS体制省令とは

 

QMS体制省令の位置付け

1 申請に係る医療機器又は体外診断用医薬品の製造管理又は品質管理に係る業務を行う体制が、厚生労働省令で定める基準に適合しないときは、製造販売業の許可を与えないことができる。

参考:医薬品医療機器等法第23条2の2

と規定されています。
この「厚生労働省令で定める基準」が、QMS体制省令のことです。
QMS体制省令は、製造販売業の許可要件です。

※3章のQMS省令は、医療機器の承認又は認証要件となります。

QMS体制省令の概要

1.製造販売業者等が遵守する製造管理又は品質管理に係る業務に必要な組織の体制の整備
2.必要な人員の配置
を規定しています。

QMS体制省令の規定

製造販売業者は、QMS省令の規定を遵守するために必要な組織の体制を整備しなければならない。
また、製造販売業者は、QMS省令の規定を遵守するために必要な人員の配置を適切に行わなければなりません。

具体的に、

組織の体制に係る基準について

1.品質管理監督システムの確立、文書化及び実施並びにその実効性の維持のために必要な組織の体制づくり
2.品質管理監督文書の管理及び保管を適切に行うために必要な組織の体制づくり
3.記録の管理及び保管を適切に行うために必要な組織の体制づくり
4.その他QMS省令の規定を遵守するため必要な組織の体制づくり

人員の配置に係る基準について

1.総括製造販売責任者をQMS業務の統括等(QMS省令第71条第1項各号)に掲げる業務を適正に行うことができるよう適切に配置
2.管理監督者を管理監督者の責任(QMS省令第2章第3節の規定)を遵守することができるように適切に配置
3.その他QMS省令の規定を遵守するため必要な人員を適切に配置

必要な人員の配置等の規定

 

管理監督者

管理監督者とは、製造販売業者等の品質管理監督システムに係る業務を最上位で管理監督する役員等をいいます。

総括製造販売責任者

医療機器の製造販売業者等は、製造管理及び品質管理並びに製造販売後安全管理を行わせるために、厚生労働省令で定める基準に該当するものを置かなければなりません。

資格要件は以下の通りです。

高度管理医療機器又は管理医療機器の製造管理及び品質管理並びに製造販売後安全管理を行う者に係る厚生労働省令で定める基準は、次の各号のいずれかに該当する者であることとする。
一 大学等で物理学、化学、生物学、工学、情報学、金属学、電気学、機械学、薬学、医学又は歯学に関する専門の課程を修了した者
二 旧制中学若しくは高校又はこれと同等以上の学校で、物理学、化学、生物学、工学、情報学、金属学、電気学、機械学、薬学、医学又は歯学に関する専門の課程を修了した後、医薬品、医療機器又は再生医療等製品の品質管理又は製造販売後安全管理に関する業務に三年以上従事した者
三 医薬品、医療機器又は再生医療等製品の品質管理又は製造販売後安全管理に関する業務に五年以上従事した後、別に厚生労働省令で定めるところにより厚生労働大臣の登録を受けた者が行う講習を修了した者
四 厚生労働大臣が前三号に掲げる者と同等以上の知識経験を有すると認めた者

2 一般医療機器の製造管理及び品質管理並びに製造販売後安全管理を行う者に係る厚生労働省令で定める基準は、次の各号のいずれかに該当する者であることとする。
一 旧制中学若しくは高校又はこれと同等以上の学校で、物理学、化学、生物学、工学、情報学、金属学、電気学、機械学、薬学、医学又は歯学に関する専門の課程を修了した者
二 旧制中学若しくは高校又はこれと同等以上の学校で、物理学、化学、生物学、工学、情報学、金属学、電気学、機械学、薬学、医学又は歯学に関する科目を修得した後、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品の品質管理又は製造販売後安全管理に関する業務に三年以上従事した者
三 厚生労働大臣が前二号に掲げる者と同等以上の知識経験を有すると認めた者

参考:医薬品医療機器等法施行規則第114条の49

 

国内品質業務運営責任者

医療機器の製造販売業者は、国内の製品の品質管理業務の責任者として、国内の所在する施設に、国内品質業務運営責任者を置かなければなりません。

2章 GVP省令とは

 

医療機器の製造販売業者等は、医療機器の使用、操作等による危害の発生または拡大を防止し続けていくために、製造販売後安全管理を適切に実施しなければなりません。
実施するために、GVP省令では、医療機器の品質、有効性及び安全性に関する事項その他適正な使用のために必要な情報「安全管理情報」の収集・検討及びその結果に基づく必要な措置に関する業務「安全確保業務」が定められています。

また、安全確保業務のうち、医療機器の製造販売業者が、安全性及び有効性に関し、リスクの最小化を図るための活動を実施と措置を講ずることも定められています。

3章 QMS省令とは

 

平成26年11月25日施行の医薬品医療機器法によって、QMS省令は医療機器の製造販売承認及び製造販売認証の要件となりました。

そのため、医療機器の製造販売業者等は、QMS省令に基づく品質管理監督システムを構築しなければ、承認または認証を取得することができません。

QMS省令の構成

QMS省令の構成は以下の通りです。
第2章は、ISO13485:2003に整合した品質マネジメントシステム要求事項、従来の製造販売業の許可要件であったGQP基準から医療機器が除外され、その条項がQMS省令第3章へ移行されています。

構成
第1章 総則(第1条〜第3条)
第2章 医療機器等の製造管理及び品質管理に係る基本的要求事項
 第1節 通則(第4条)
 第2節 品質管理監督システム(第5条〜第9条)
 第3節 管理監督者の責任(第10条〜第20条)
 第4節 資源の管理監督(第21条〜第25条)
 第5節 製品実現(第26条〜第53条)
 第6節 測定、分析及び改善(第54条〜第64条)
第3章 医療機器等の製造管理及び品質管理に係る追加的要求事項(第65条〜第72条の3)
第4章 生物由来医療機器等の製造管理及び品質管理(第73条〜第79条)
第5章 放射線体外診断用医薬品の製造管理及び品質管理(第80条〜第81条)
  第5章の2 再製造単回使用医療機器の製造管理及び品質管理
第6章 医療機器等の製造業者等への準用等(第82条〜第84条)
附則 (施行期日、経過措置)

 

4章 QMS適正調査について

 

QMS省令適合が製造販売承認(認証)の要件となっているのは、承認(認証)申請された製品の品質、安全性及び有効性を担保し続けるためです。
よって、承認または認証を受けた事項の一部を変更しようとする時や5年を経過するごと(定期)に、QMS適合性調査を受けなければなりません。

調査の実施者

・承認前適合性調査、承認に係る一部変更時適合性調査、定期的合成調査・・医薬品医療機器総合機構(PMDA)
・認証前適合性調査、認証に係る一部変更時適合性調査、サーベイランス調査、定期的合成調査・・・登録認証機関(民間)

※サーベイランス調査とは
製造販売認証品目の審査、調査を行う登録認証機関については、JIS Q 17021-1:2005の規定への適合が登録要件となっています。認証の決定した日から12ヶ月を超えないように年に1回サーベイランス調査が行われます。

QMS調査の流れ

1.調査の申請
2.実地、書面審査
3.指摘事項
4.改善報告、計画書提出
5.基準適合証発行

医療機器等適合性調査申請書は、FD申請又は医療機器WEB申請にて提出します。

QMS適合性調査の申請に当たって提出すべき資料

1.実地/書面調査の判定のために提出する資料(新規
・申請品目の製造販売承認申請書又は承認事項一部変更承認申請書(輸出用医療機器等の輸出届に基づく場合は、その届出書)の写し
・前回調査以降の承認事項一部変更承認書及び軽微変更届書の写し
・ISO13485認証書等、調査対象施設における適合性調査の申請の日から過去3年以内に実施された他の調査実施者による実地の調査報告書、MOU等に基づく相手国等の証明書又は調査報告書、外国等当局による適合性証明書の写し
・調査対象品目の製造工程の概要
・各調査対象施設で実施している活動の概要及び各調査対象施設における品質管理監督システムの相互関係を確認できる資料
・調査対象施設の概要
・子品目リスト及び申請品目に係る基準適合証の写し
・その他、別途通知等に示す資料

2.実地/書面調査の判定のために提出する資料(定期
・前回調査以降の承認事項一部変更承認書及び軽微変更届書の写し
・ISO13485認証書等、調査対象施設における適合性調査の申請の日から過去3年以内に実施された他の調査実施者による実地の調査報告書、MOU等に基づく相手国等の証明書又は調査報告書、外国等当局による適合性証明書の写し
・調査対象品目の製造工程の概要
・各調査対象施設で実施している活動の概要及び各調査対象施設における品質管理監督システムの相互関係を確認できる資料
・前回調査以降の回収がある場合には、その概要・・・新規にはない書類
・宣誓書・・・新規にはない書類
・調査対象施設の概要
・子品目リスト及び申請品目に係る基準適合証の写し
・その他、別途通知等に示す資料

実地又は書面調査

医療機器等適合性調査申請後、各施設に対する調査方法(実地調査又は書面調査)が通知されます。

指摘事項、指摘事項改善報告と計画書の提出

QMS調査において不備事項が確認された場合、「QMS調査指摘事項書」が発行されます。
QMS指摘事項改善報告書」又は「QMS指摘事項改善計画書」をPMDAに提出しなければなりません。

基準適合証発行

適合性調査申請に関連した全ての施設の調査が終了し、調査結果が適合であった場合に、基準適合証が発行されます。

手数料について

厚生労働省ホームページよりQMS適合性調査手数料計算ツールをダウンロードして計算結果シートを添付します。

QMS調査関係手数料については、
医薬品医療機器等法関係手数料令第33条第5~6項)に明記してあります。

下記はPMDAの資料からの抜粋です。

※オプション項目とは
・原材料の一部に医薬品か再生医療等製品が含まれる
・特定生物由来製品
・マイクロマシン(電気その他のエネルギーを利用し、その直径が3mm以下であり、かつ、その部品の直径が1mm以下であるもの)
・製造工程でナノ材料(縦若しくは横の長さ又は高さが1nm以上100nm以下の物質から成る材料)が使用されるもの
・人体吸収性の医療機器(特定生物由来製品を除く)
・特定医療機器(法第68条の5第1項の規定による)